素潜り5mからCWT30mへ
3年目の海で、ようやくたどり着けた景色
フリーダイビングというスポーツに足を踏み入れて3年目の海洋シーズン。
今シーズン、ついにCWTで30mの自己ベストに到達し、同時にAIDA3検定にも合格することができました。
今までコツコツと地道に続けてきたことが、ようやく一つの形として現れてくれたように感じています。
思い返せば、初めて講習に参加したときは、今の自分の姿なんてまったく想像していませんでした。
そのときの私の動機はとてもシンプルで、
「安全に潜れる知識を学んで、少しでも長く水中に潜っていられるようになりたい」
ただそれだけでした。
講習の申込み用紙には、たしか目指す深度を20mにチェックした記憶があります。
というのも、その頃の私は素潜りで5mが限界だったからです。
海洋トレーニングに参加し始めてからも、すぐに順調に深度が伸びたわけではありませんでした。
私にとって一番大きな壁になったのは、耳抜きです。
ヘッドファーストで潜ると、7〜8mあたりで耳が抜けなくなってしまい、そこで引き返す。
そんなことを何度も何度も繰り返していました。
「耳抜きさえできたら、もっと潜れるのに」
そう思いながらも、思うようにいかない時間が続きました。
それでも諦めず、フレンゼル講習を受け、陸トレを重ね、ダイビングプールでも特訓させてもらいました。
インストラクターの酒井さんの講習では、感覚だけではなく理論もしっかり学ぶことができ、練習方法も一つひとつ順を追って丁寧に説明していただけたので、とても理解しやすかったです。
あとは実践あるのみ。
そう思って練習を続けていましたが、耳抜きに関しては、すぐにできるようになる人もいる一方で、私はなかなか習得できず、苦戦が続きました。
でも今ならはっきり言えます。
3年目の今シーズンに約3カ月半で30mまで潜れるようになったのは、足踏み状態でもがき続けたこの2年間があったからこそでした。
2シーズン目には、足から沈むフィートファーストのスタイルに切り替え、FIMの練習に取り組みました。
すると、このスタイルでは最終的に30mの深度まで行けるようになりました。
これは私にとって本当に大きな進歩でした。
「自分はこの水圧に耐えられるんだ」と実感できたことは、大きな自信につながりました。
そして同時に、こうした練習を安全に積み重ねさせてもらえる環境があること、グランブルーのサポート体制があること、そして仲間との信頼関係の中で潜れることへの感謝の気持ちが、よりいっそう深まりました。
ちょうどその日は透明度も抜群で、深い場所から見上げた水面の広がりが本当に圧巻でした。
水中なのにどこまでも広がっていくような、別世界の光景。
その景色の感動は、今でも心に残っています。
短い夏の日本海では、海で潜れる回数が限られています。
だからこそ3年目の今シーズンは、自分なりに作戦を立てて臨みました。
- 水圧に慣れるため、できるだけ毎週末海トレに参加する
- 水中で力まず、リラックスを優先する
- 水面から3〜4mまでの耳抜きを疎かにしない
この3つは、どれも私の耳抜きの上達に大きく貢献してくれました。
体力にあまり自信のない私にとって、毎週末海に通うことは正直チャレンジでもありました。
でも実際には、海と自然に癒され、むしろパワーチャージされていたように思います。
気づけば元気に続けることができ、波酔いにも以前より強くなっていました。
さらに、船のカウンターバランスシステムのロープセッティングも研修させてもらいました。
これを覚えたことで、自分にできることが増え、海での時間がより一層楽しくなりました。
受け身ではなく、チームの一員として主体的に動く意識も強くなったように思います。
AIDA3検定では、知識や潜れることだけではなく、バディとしての役目を果たすための技術や体力も求められます。
実際に検定項目を経験したことで、その大変さと重要性を身をもって実感しました。
体力がなければ務まらない。
そして何より、安心して潜るためにはバディの存在が欠かせない。
お互いに信頼できるからこそ、自分も安心して潜ることができるのだと、あらためて深く感じました。
フリーダイビングは、一人で完結するスポーツではありません。
海の中では、支え合える仲間や信頼できるバディがいてこそ、自分の挑戦に集中することができます。
伸び悩む時期は、誰にでもあると思います。
私自身も、思うようにいかない時間を何度も経験してきました。
でも、その時間の中にも発見があり、楽しさがあり、続けていると、ある時ふっとできるようになる瞬間があります。
それを実際に体験できたのが、今シーズンでした。
今の自分があるのは、teamグランブルーで継続してトレーニングをさせてもらってきたおかげです。
私はチームの仲間が大好きで、共に練習できることをとても幸せに感じています。
これからも、海の中で感じる喜びや学びを大切にしながら、きっとこの先もフリーダイビングを続けていくのだと思います。